大室山アーチェリー対決(前編)

2008-10-05 (日)
- 紀行文/東海地区

友人K松氏から「伊豆でアーチェリーをやろう」という誘いを受けたとき、チャンス到来だと密かにほくそ笑んだ。

外見は大人しそうな彼ではあるが、その実は突然会社を退職して1年半の海外放浪してみたり。 行く先々で空手や合気道など興味を持ったことは片っ端からやってみたりと、休日引き籠もりの権化である私から見れば羨ましいほどのアグレッシブさを兼ね備えている男なのだ。

そんな劣等感を密かに抱き続けていたものだから、アーチェリーの話が出たときは、隠していた才能をこれでもかというほど見せつける絶好の機会だと思ったのだ。

……と、いうように書くと日頃からアーチェリーを嗜んでいる人間のように思うかもしれないが、実は嗜むどころか全くやったことがなかった。

しかしボウガンでドラゴンの如く巨大な怪物を仕留めた経験はある。ボウガンもアーチェリーも似たようなものだろうし、 握ったものが弓かコントローラーか程度の違いでしかない。それぐらいなんとかなるだろう。
そんな風に考えていたので、未経験の割には自信に満ち溢れていたのだった。

ゲーム脳乙。

東伊豆に大室山という標高500mほどの小さな山がある。標高も低く、草しか生えていないため何やら異様な印象を受けるが、これでも山らしい。

大室山 map.大室山
大室山の麓から山頂を望む fig.木が一本もないが、これでも"山"

突っ込みどころ満載地蔵

大室山は山頂がカルデラのようになっている。カルデラの内側-つまり火口部分-でアーチェリー体験ができる……とは、K松氏の事前調査。
アーチェリー場と言っても、原っぱに的が置いてあるだけなのだけど。

せっかくだから山頂をぐるりとお鉢周りをして行こうということになった。
別に目新しいものがあるわけでもない。
晴れていれば相模湾を越えて房総半島まで一望できるという景色を堪能しながらの散策。秋の澄んだ空気に心まで透き通るようだ。

大室山の山頂から伊豆を望む fig.山頂から伊豆を望む

山頂には地蔵群が2つある。大室山の最高峰にあったのが、船の安全祈願のための地蔵「八ヶ岳地蔵尊」。 もう1つは安産祈願のための地蔵「五智如来地蔵尊」。

なぜ大室山山頂で安産祈願なのか。言い伝えにはこうあった。

今から約300年の昔相州岩村(神奈川県足柄下郡)の地頭朝倉清兵衛さんの娘さんが9歳で身ごもり、 その安産を大室山浅間神社に祈願したところ無事安産したのでお礼に安置したものです。

伊豆高原 大室山登山リフトオフィシャルサイトより

道行く他の観光客はお参りをしたり、スルーしたりと、別段気にも止めていないようだったが、なぜ誰も突っ込まない。

9歳で妊娠ということに。

9歳だぞ、9歳!!(※1)どうなってんだー!

(※1)9歳!!……連呼しまくったらさすがに呆れられた。

一部マスメディアで話題の映画「コドモのコドモ」なんて霧散してしまうほどのインパクト。 いやいや、むしろ重要なのは娘よりお手つきの相手だろうが。ケシカラン、実にけしからん。
野田聖子なんてこの話を聞いたら脳ミソから血を噴いて卒倒してしまうんじゃないだろうか。いやはや、昔のニッポンはまったく凄い。

羞恥プレイ

大室山は木が一本も生えていないため、お鉢周辺から火口(アーチェリー場)への視線を遮るものは何もない。つまり、火口まる見え特捜部状態。

山頂から火口部分を望む fig.山頂からアーチェリー場は丸見え

実はリフトで山頂まで上がってきた観光客はカルデラ部分を見るか、伊豆の街の景色を見るかぐらいしかやることがない。 つまりかなりの観光客がアーチェリー場を眺めることになる。「何か面白いことでも始まらないか」と。 そんな状況下でアーチェリー(しかも弓すら触ったこともない超初心者)をやるのは無謀ではないのか。
予想と違う状況に激しく動揺した。

タイミング悪いことに我々が山頂について間もなく、小学生ぐらいの子どもたち数人がアーチェリー場に下りていった(※2)

(※2)下りていった……有料ではあるが、アーチェリーをやらなくても火口部分まで下りられる。

アーチェリー場の芝生を武道場と見立てて、ストリートファイトを始めた。よくある微笑ましい光景。すると…

「なになに?」
「アーチェリーやってるのか?」
「遊んでいるらしいよ」

……たちまち祭り状態

つまりそれほど他にやることがないとも言えるのだけど、ちょっと子どもが下りただけでこの騒ぎ。 我々がアーチェリーを始めた日にはいったいどうなってしまうのか。

「……どう?」
「本当にやるの!?」

もちろん後者のセリフが私だ。
やる気に満ちあふれている彼とは対照的に、完全に怖じ気づいてしまった。誰だって大勢の赤の他人に指差されて笑いものになりたくはないだろう。

まぁ、しかし初心者だけでアーチェリーなんて危険なスポーツをやらせるわけはないだろうし、インストラクターが懇切丁寧に指導してくれるだろうという目論見も手伝い、 せっかく来たのだから分不相応にも恥も外聞を捨ててやってみる気になったのだ。

(つづく)

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